一般診療

低温やけどにご注意を!

低温やけどにご注意を!

こんにちは!
しむら皮膚科クリニックの広報担当・坂井です。

紅葉の見ごろも終わりになり、最低気温が一桁の日がめずらしくなくなってしまいましたね。

本格的な冬の訪れを前に、冬に注意していただきたいことをピックアップいたしました!
寒くてつらい冬ですが、少しでも快適にすごしていただくためにご参考にしていただけるとうれしいです。

低温やけど注意報発令します!

熱いものに触れて起きる高温やけどと違って、冬に多いのが低温やけどです。
低温やけどは、体温より少し高い44℃~50℃の温度のものに長い時間触れ続けることにより起きるやけどです。

低温やけどの要因

  • 湯たんぽ
  • 電気毛布
  • 電気カーペット
  • カイロ
  • こたつ

このように日常的に使っているもので、低温やけどになる危険は潜んでいます。
高温やけどは、皮膚の表面に熱が触れてしまうことで起こります。70℃では1秒触れただけで、やけどを起こしてしまいます!

低温やけどは皮膚の奥深くでじっくり進行してしまうので、高温やけどよりも治りにくいのが特徴です。
ちょうどお肉を焼くとき、強火だと表面しか焼けませんが、弱火の方が中心部まで焼けるのと同じですね!(例えがいいのか悪いのか…)

低温やけどが恐ろしい所は、見た目はヤケドとわかりにくく痛みも感じにくいため、放置してしまいがちなこと。
しかし皮下組織が破壊している場合、手術が必要になったり、感染症にかかりやすくなるので、通常のやけどよりも重症になることが多いのです…

昨今、エコな商品ということで湯たんぽを使用する方も多くいらっしゃるかと思います。
電気毛布の電気代もお安くなり、オートオフ機能がついて使いやすくなりました。

しかし!ぜひお願いしたいことがあります!

「湯たんぽはお布団に入る時に取り出しましょう!」

「電気毛布もお布団に入る時に電源をオフにしましょう!」

湯たんぽはタオルでくるんでいるから大丈夫と思いがちですが(私も以前はそう思っていました…)、タオルでくるんでいても湯たんぽの表面が44℃で5時間皮膚をつけていると低温やけどになってしまいます。
身体から離していたとしても、眠っている間に無意識にくっついてしまうということや、寝る寸前に消そうと思っていた電気毛布も気持ちよくていつの間にか寝てしまうなんてこともあるかと思います。
ぜひぜひご使用の方は「お布団に入る時に出す!消す!」を習慣にしてくださいね。

貼るタイプのカイロも低温やけどの危険がありますので、皮膚に直貼りせずに時々貼る場所を変えてくださいね。

低温やけどを起こしやすい人

  • 赤ちゃん
  • 高齢者の方
  • 知覚や運動能力に麻痺のある方や
  • 糖尿病などで手足の循環が悪い方
  • 泥酔している方

自分で思うように身体を動かせない赤ちゃんや高齢者の方は皮膚も薄いので要注意!

低温やけど、こんなケースも

ちなみに、こたつなどの暖房器具だけでなく、実は意外なものでも低温やけどを起こしたものがあります。
それが「ノートパソコン」
ノートパソコンに内蔵されたバッテリーが、長時間の使用で高熱になり足の上や、身体の一部に接触していて低温やけどを発症した例があったそうです。
同様に、スマホでの低温やけどの報告もありました。就寝中の充電で熱くなったスマホにもお気をつけください。

布団の中でスマホを充電するイメージ

稀なケースかと思いますが、このように熱を発するものと長時間接触する時は十分ご注意くださいね!

低温やけどの症状

※スマホの方は横にスクロールしてください。

  Ⅰ度 Ⅱ度(浅い) Ⅱ度(深い) Ⅲ度
損傷レベル 表皮より浅い 表皮、真皮の浅い層 表皮、真皮の深い層 皮膚全層・皮下組織
外見の症状 赤み(充血、発赤) 水痘(水ぶくれ) 水痘 乾燥(黒色、白色)
自覚症状 痛み、熱感 強い痛み 弱い痛み 無痛、感覚なし
治療期間 数日 1~2週間 3~4週間 1カ月以上
傷跡 残らない 残らない 残る 残る

皮肉なことに痛みが弱い、または無痛・感覚なしほど、重症で傷跡が残ってしまう低温やけど。
忘年会などで泥酔した状態で電気カーペットやこたつで寝てしまって…ということがないように注意し、快適な冬をお過ごしください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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