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酒さ・酒さ様皮膚炎

ROSACEA/ROSACEA LIKE DERMATITIS

酒さ(赤ら顔)とは

 
酒さは「赤ら顔」とも呼ばれ、顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患です。中年以降の女性にに発症しやすい傾向があります。顔面に症状が発現するため、日常生活に支障をきたすこともあります。
 
酒さは、頬・鼻に赤み、赤ニキビのような症状がでます。ニキビと誤診されることも少なくありませんが、ニキビと違い面ぽう(コメド)を伴いません。ほてりやヒリヒリ感を伴うこともあります。
 
以下の4タイプに分けられます。
 
① 紅斑毛細血管拡張型
顔が時間によってはかなり赤くなり、毛細血管拡張症が見られます。ほてりやヒリヒリ感が伴います。更年期障害のフラッシングと鑑別が難しいことも多いです。
② 丘疹膿疱型
赤みの上に赤ニキビ様の皮疹や膿のたまったブツブツが見られます。
③ 鼻瘤
鼻の表面がぼこぼこと盛り上がります。
④ 眼型
眼の充血、異物感やかゆみ、乾燥、まぶしさを感じます。
 
 

酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎とは

 
酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎は酒さの丘疹膿疱型に似た症状を示す病気で原因はステロイドの長期外用です。口囲皮膚炎は口の周り、ほうれい線に症状が見られます。顔面へのステロイドの長期外用(4週間以上)すると生じやすく、特に女性に多く見られます。
時に毛包虫(ニキビダニ)というダニが毛穴の中で増えてしまい症状を悪化させていることもあります。
ステロイドの中止が必要ですが中止により一気に悪化することも少なくないです。

症例写真

モニターさんの治療経過です。掲載にはご本人の同意をいただいております。


治療前
使用した治療:メトロニダゾール外用(ロゼックスゲル®)、ミノサイクリン内服、Vbeam照射
通院回数:8回(経過観察除く)
 
※治療には個人差があり、効果を保証するものではありません。

治療後
8ヶ月後、炎症や赤みがおさまりました。

治療

酒さ・酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎は基本的に同じ治療で改善していきます。
 

外用治療

 
確実な治療効果を得るためには、使用量や外用回数を守ることが大切です。
 

メトロニダゾール外用(ロゼックスゲル®)

第一選択薬になります。当院でこの治療が受けられます。

タクロリムス軟膏(プロトピック®軟膏)

酒さ様皮膚炎の方がステロイド外用を急に中止すると一気に悪化することがあるため、タクロリムスに切り替えて外用します。

当院でこの治療が受けられます。

イベルクメクチンクリーム

酒さ・酒さ様皮膚炎とも使用します。自費診療となります。

10g 2200円、30g 5500円

当院でこの治療が受けられます。

内服治療

 

テトラサイクリン系抗生物質内服

ミノサイクリン、ビブラマイシンといったテトラサイクリン系の抗生物質を飲むことにより赤み・赤ニキビ様皮疹の改善がみられます。

当院でこの治療が受けられます。

レーザー治療・光治療(IPL)

 
罹病期間が長くなると毛細血管の拡張が戻らない状態(毛細血管拡張症)を起こすことがあり、その場合はレーザー治療・光治療で治療します。
 

Vビーム

Vビームは色素レーザーと呼ばれるタイプのレーザー機器で毛細血管拡張症の治療によく使われます。保険適応となります。

当院でこの治療が受けられます。

ステラM22

ステラM22は光治療器(IPL)と呼ばれるタイプの機器で毛細血管拡張症だけでなく、シミなどにも効果があります。自費診療となります。

当院でこの治療が受けられます。