尋常性白斑に対するミニグラフト法(皮膚移植術、植皮術)
- ミニグラフト法は、難治性の尋常性白斑に対する治療法の一つで、白斑部に小さな穴をあけ、正常な皮膚から採取した小さな植皮片を移植する皮膚移植術です。この方法は、1か所ごとの傷が小さく、傷跡が目立ちにくいことが特徴とされています。
- 対象となるのは従来の治療(ステロイド外用や紫外線療法、エキシマライトなど)で十分な効果が得られなかった局所型・分節型の尋常性白斑の方です。
- 現在、この治療は最新の技術を用いるため、保険診療の適用外となっており、自費診療での提供となります。料金については下記をご確認ください。
- 一方、全身に白斑が多発する汎発型の尋常性白斑に対しては、ナローバンドUVB、エキシマライト、または脱色療法といった治療法を検討する場合があります。患者様一人ひとりの状態に応じて最適な治療を医師がご提案いたします。
症例写真
モニターさんの治療経過です。
症例1

分節型の尋常性白斑
エキシマライトは効果がありませんでした。
施術料:38,500円(税込・自費診療・検査代含む)
※上記の症例の場合

手術直後
耳の後ろから植皮片を採取し、植皮しました。

術後1ヶ月半
植皮からの色素の拡大を促す目的でエキシマライトを当てていたため植皮部が周囲の皮膚より若干濃くなっています。

術後3ヶ月
術後3ヶ月の状態です。周囲との境界もほとんどわからなくなっています。
手術料金
自費診療
- 自費診療になります。
- クレジットカードが使えます。
初診料 |
3,300円 |
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再診料 |
1,100円 |
術前検査代 |
5,500円 |
手術基本料金 |
33,000円(20ヶ所まで。1円玉大が目安です。) |
※表示価格は税込です。
手術実績
2022年 2件
2021年 2件
2017年 10件
2016件 10件
2015件 13件
2014年 23件
2013年 14件
2012年 24件
2011年 31件
2010年 13件
2009年 2件
ミニグラフト法の留意点
予約の要否 | 初診は診察順番予約で番号をお取りになりご来院ください。 |
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施術日 | 即日 |
施術時間 | 5分~50分(手術する範囲による) |
ダウンタイム | 5日間は当日貼ったテープ剤は剥がさず過ごす |
抜糸 | なし |
通院回数 | 1回 |
持続性 | ★~★★★(手術する範囲による) |
コンタクトレンズ | - |
洗顔 | 当日から可能 |
シャワー | 当日から可能 |
入浴 | 翌日から可能 |
メイク | 当日から可能 |
合併症・副作用
感染 |
細菌による炎症 |
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出血 |
一時的に出血が見られる場合がありますが、通常は数日以内に治まります。 |
赤み |
施術部位に赤みが見られることがありますが、数ヶ月で目立たなくなります。 |
炎症後色素沈着 |
移植部位に色素沈着が見られることがありますが、1~3か月程度で軽減することが一般的です。 |
痛み |
ごく軽い痛みが当日~翌日まで続くことがあります。 |
瘢痕 |
多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。 |
移植部分の皮膚の隆起 |
一時的に移植部分の皮膚が隆起することがありますが、通常は数週間から数か月で落ち着く場合が多いです。 |
生着不良 |
一部の移植片がうまく生着しない場合があります。新たに色素が生着しなかった場合は追加の治療が必要となることがあります。 |
再発 |
一度色素が戻った場合でも、再び色素が失われる可能性があります。この場合、追加治療が検討されます。 |
皮弁壊死 |
極めて稀ですが、皮弁が壊死する場合があります。適切な処置を速やかに行う必要があります。 |
ケロイド |
傷跡が盛り上がり、ケロイドが形成される可能性があります。リスクの高い方には予防的治療や適切な術後ケアを行います。 |
- これらの合併症や副作用の頻度や程度は患者様ごとに異なります。
- 上記に記載した期間は一般的な例であり、完全に解消するまでにさらに時間を要する場合もあります。
- 気になる症状が見られた場合は、早めに担当医師へご相談ください。
Q&A
Q. 手術は痛いですか?
A. 局所麻酔時に痛みがありますが、手術中は痛みはありません。
Q. 手術後は痛いですか?
A. 当日、翌日ぐらいまで痛みが続くことがありますが、ごく軽いものです。
Q. 手術時間はどれくらいですか?
A. 麻酔をした後、麻酔がよく効くまで10分程お待ちいただきます。手術時間は30ヶ所で20分くらいです。
Q. 縫わない手術のようですが出血は続きませんか?
A. 手術後、ほとんど出血はしません。
Q. どこの皮膚を採って植皮するのですか?
A. そけい部(太ももの付け根)の皮膚を選択することが多いです。
Q. 手術後の処置は?
A. 植皮部(白斑の方)は5~7日間、貼付剤を剥がさずに貼り続けていただきます。シャワー浴ができるように防水性のシールでカバーしますが、なるべく濡らさいないようにしていただきます。
採皮部(皮膚を採った方)はガーゼ保護を数日行っていただきます。
Q. 採皮部はどういう経過をたどりますか?
A. 1mm大の色素沈着をきたすことがありますが、時間とともに消失します。最終的にはほとんど傷跡がわからなくなります。
Q. 植皮部はどういう経過をたどりますか?
A. 術後2週間ほど経つと植皮部に一致して色素再生が起こります。徐々に拡大し最終的には2~3mm大のものとなります。周囲の皮膚より色調が濃くなってしまう場合もあります。
また、植皮した部分が若干隆起しボツボツが残ることが有ります。まぶたや首など特に皮膚の薄い部位ではボツボツが生じやすいです。
残念ながら、色素が再生してこない可能性もあります。採皮部と同様に傷跡はほとんどわからなくなります。